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「確信犯」の誤用が9割?本来の意味と現代のズレをプロが徹底解説

小林 菜々子 (Nanako Kobayashi)Verified Writer
「確信犯」の誤用が9割?本来の意味と現代のズレをプロが徹底解説

確信 犯 誤用の議論が、メディアやSNSのタイムラインで定期的に炎上する。「悪いことだとわかっていてやる横着な行為」という意味で使う人が大半を占める一方で、言葉の歴史を知る識者は静かに首をかしげる。普段私たちが口にする「あいつは確信犯だ」という決め台詞。その多くが、実は元々の意味から180度脱線しているという現実を、どれほどの人が把握しているだろうか。 📖 【あわせて読みたい】 松山春まつり完全攻略!大名行列の穴場鑑賞と屋台の最新情報

情報番組のコメンテーターの口から発せられる発言や、確信 犯 誤用を取り上げたネット記事の反響を見ていると、言葉が生き物として変貌を遂げる瞬間に立ち会っている気分になる。だが、ただ誤用を笑って済ませるわけにはいかない。そこには法学や言語学のディープなドラマが隠されているからだ。

「確信犯」の本来の意味とは?刑法学と国語学の定義

そもそも「確信犯」とは、日常のちょっとした意悪さを指す言葉ではない。その発祥は19世紀末から20世紀初頭のドイツに遡る。独法学者のグスタフ・ラードブルフが定立した刑法学上の専門概念だ。彼が示した定義において、確信犯とは「自らの宗教的、政治的、あるいは道徳的な信念に従い、本人はそれが正義であると信じて疑わずに実行する犯罪」を意味していた。つまり、悪気どころか純粋な正義感から行われる行為なのだ。

この厳密な定義は日本にも輸入され、辞書編纂をはじめとする国語学の領域で長らく共有されてきた。例えば、老舗の出版社である岩波書店が発行する国語辞典などでも、本来の意味が第一義として掲げられてきた歴史がある。「自分は正しい」と確信しているがゆえに翻意させることが難しく、通常の犯罪者とは異なる病理を持つというのが、法学上の論点だった。

文化庁の「国語に関する世論調査」が明かす衝撃の現実

だが、現代の日本社会において、その本来の意味を守り続けている人は絶滅危惧種に近い。文化庁が毎年実施している「国語に関する世論調査」のデータを紐解くと、衝撃的な現実が浮かび上がってくる。調査回によって数値の微増減はあるものの、実に約9割近くの回答者が「悪いことと知りながら行う行為」として解釈しているのだ。

言葉の変化を克明に追跡する国立国語研究所の知見でも、この認識の逆転は不可逆的なレベルに達していると分析されている。「道徳的な確信に基づいて行う」という本来の定義を正しく理解して使っている層は、今や1割程度に過ぎない。世論の9割が間違った用法を「正解」として共有しているこの状況は、現代日本語における最大級の地殻変動と言っても過言ではない。

なぜここまで広がった?現代における代表的な誤用パターン

なぜ、これほどまでに正反対の意味へとスライドしてしまったのか。現代社会における典型的な使われ方は、「あざとさを狙った行動」や「後で怒られると知っていてやる悪戯」だ。タイムラインやYahoo!ニュースのコメント欄を覗けば、「あの芸能人の発言は完全に確信犯だ」「また計算づくでやってる」といった書き込みがあふれている。 📖 【あわせて読みたい】 結婚式の写真共有で後悔しない!高画質で簡単回収する最新裏ワザ

原因の一つは、「確信」という漢字が持つイメージの強さにある。「自分の悪事をしっかりと確信(認識)した上でやっている」という直感的な解釈が、人々の間でスピーディに浸透した。本来含まれていた「道徳的善意」という屈折したニュアンスが削ぎ落とされ、単なる「故意」や「計算」と同義語として消費されるようになったのが、誤用のメカニズムである。

言葉を編む情熱:映画『舟を編む』と飯間浩明氏が語る視点

誤用を単なる「無知の産物」として切り捨てるか、それとも「生きた言葉の変化」として受容するか。このテーマは、言葉の海を航海する辞書編纂者たちにとっても最大の葛藤だ。辞書作りに情熱を注ぐ人々の姿を描いた名作映画『舟を編む』でも描かれた通り、辞書は過去の規範を縛る鎖ではなく、現在の言葉の姿を映し出す鏡でなければならない。言葉にまつわるドキュメンタリーや関連番組はNHKオンデマンドなどでも配信されており、その奥深い世界に触れることができる。

『三省堂国語辞典』の編纂者として知られる国語学者の飯間浩明氏は、誤用とされる言葉に対しても柔軟な視点を持つことで知られる。飯間氏は、社会の大多数が特定の意味で言葉を使い始め、それがコミュニケーションとして成立しているならば、辞書もそれを「俗用」や「新しい意味」として記録すべきだと指摘する。規範と実用の狭間で、言葉は常に更新され続けているのだ。

出版業界と新聞・報道メディアが抱える文章表現の葛藤

一方で、表現の正確性が命であるジャーナリズムの現場では、今なお激しい葛藤が続いている。出版業界新聞・報道メディアの校閲記者たちは、「確信犯」というワードの取り扱いに極めて神経をとがらせている。裁判報道や刑法上の問題を取り上げる際、現代的な俗用表現のまま「確信犯」と書いてしまうと、被告の主観的な意図や法的責任の所在に関して大きな誤解を招くからだ。

そのため、報道現場のスタイルブックでは「確信犯」の安易な使用を避け、「意図的な暴言」「悪事と知りつつ行った行為」などと明確に言い換える運用が一般的だ。大衆の言語感覚に寄り添いながらも、誤解を生ませない正確さをどう担保するか。言葉を扱うプロたちの模索は、これからも現在進行形で続いている。 📖 【あわせて読みたい】 立性ローズマリー人気の秘密!初心者も失敗しない栽培法と料理の活用術

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「確信犯」の誤用が9割?本来の意味と現代のズレをプロが徹底解説

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